地震・防災備蓄
熊本地震から考える
次の大地震への備え
2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生しました。被災地の安全を願うと同時に、私たちはこの現実を、自分と家族の備えへ変える必要があります。南海トラフ地震、首都直下地震、東日本大震災の震源域周辺・日本海溝沿いを具体的に想定し、家庭で何をどれだけ備えるかを整理します。
- すべての家庭で、水・食料・携帯トイレなどを最低3日分、できれば1週間分へ
- 南海トラフは広域物流停止、首都直下は火災と在宅避難、日本海溝沿いは津波と寒さを上乗せする
- 備蓄だけでなく、家具固定、住宅の耐震性、津波避難先、家族の連絡方法を同時に確認する
- 発生時期を予知することはできないため、「情報が出てから買う」のではなく普段から少しずつ備える
KUMAMOTO / 2026.07.28
熊本で起きたことを、全国の備えへつなげる
気象庁の発表では、7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、最大震度7を観測しました。同日17時08分ごろには熊本県天草・芦北地方でマグニチュード6.1、最大震度5弱を観測する地震も発生しています。
強い揺れの後は、損傷した建物、倒れかけた家具、落下物、崖や斜面、火災、断水など、次の揺れや生活停止によって危険が広がります。被災地域では、気象庁、熊本県、市町村、電力・水道・交通事業者の最新情報を優先してください。
2026年7月30日時点の情報として掲載しています。現在の被害・避難・交通状況を示すものではありません。
誤解しないために
今回の地震が、離れた大地震を「誘発する」とは断定できない
熊本の地震を理由に、南海トラフ、首都直下、日本海溝沿いの地震がすぐ発生すると断定することはできません。地震の発生日時・場所・規模を正確に予知することもできません。
一方で、これらの地域にはもともと大地震のリスクがあります。地震本部の長期評価では、南海トラフのM8~M9クラスは最も高い「IIIランク」とされ、日本海溝沿いも複数の領域についてM7~M8級などの地震が別々に評価されています。「今回が引き金」と考えるのではなく、何も起きていない今を備え直す期限と考えてください。
7-DAY BASE STOCK
まず全家庭でそろえる、1週間の基本備蓄
公的案内では最低3日分、推奨1週間分が基本です。南海トラフのような広域災害では支援や物流の回復に時間がかかるため、備えナビでは1週間を最初の完成ラインとします。
1人21L。生活用水は別に確保する
常温で食べられる物と、温めて食べる物を分ける
1人35回分を基準に、家族人数分を準備する
処方薬は主治医・薬剤師に相談し、薬の情報も控える
ヘッドライト、乾電池、モバイルバッテリーを分散する
カセットコンロは換気し、ボンベは製品表示に従って保管する
乳幼児、高齢者、妊産婦、持病・アレルギーのある人、ペットがいる家庭は、専用品を別枠で追加してください。
THREE EARTHQUAKE SCENARIOS
大地震ごとに「上乗せする備え」は違う
南海トラフ地震
被害が広範囲に及ぶため、道路・港・物流・電力・水道の同時被害と、支援の遅れを前提にします。
具体的に追加するもの
- 公的推奨の1週間分を最低ラインにする
- 沿岸部や孤立の可能性がある地域では、無理のない範囲で2週間へ増やす
- 自宅用とは別に、すぐ持ち出せる水・食料・薬・ライトを用意する
- 津波浸水想定区域では、備蓄を1階だけに集中させず安全な場所へ分散する
強い揺れや長い揺れを感じた沿岸部では、物を取りに戻らず津波から避難することが最優先です。
首都直下地震
建物が無事でも、停電・断水・下水・エレベーター・物流停止により、在宅生活が難しくなる可能性があります。
具体的に追加するもの
- 1週間分の水・食料に加え、携帯トイレを家族人数 × 35回分以上
- 靴、ヘッドライト、革手袋、消火器など火災・ガラスへの備え
- 職場や外出用バッグにも、3日程度とどまるための水・食料・充電手段
- 高層住宅では水の運搬を想定し、給水袋や背負える容器を準備する
自宅が安全なら在宅避難が選択肢です。下水設備の安全確認前にトイレへ水を流さず、携帯トイレを使用します。
東日本大震災の震源域周辺・日本海溝沿い
2011年の巨大地震後も、日本海溝沿いの地震リスクがなくなったわけではありません。地震本部は複数の領域と規模を分けて長期評価しています。
具体的に追加するもの
- 1週間分の基本備蓄に、防寒着、毛布、雨具、使い捨てカイロを追加する
- 停電時も情報を得られる電池式ラジオと予備電池
- 沿岸部では避難先で一晩過ごせる軽量な持ち出し品
- 車は避難方法を自治体方針で確認し、日常から燃料を半分以下にしない
「割れ残りが次に必ず動く」と時期や場所を断定することはできません。沿岸では、強い揺れ・長い揺れの後に直ちに津波避難を始める準備が重要です。
START TODAY
今日やることは、買い占めではなく「数えること」
- 1
家族人数 × 7日で計算する
水、食事、トイレ、薬が何日分あるか、家にある物から数えます。
- 2
寝室と避難経路を安全にする
家具固定、ガラス対策、枕元の靴とライトを確認します。
- 3
地域固有の上乗せを選ぶ
津波、火災、高層住宅、寒さ、孤立のうち、自宅に必要な対策を追加します。
- 4
ローリングストックへ変える
普段食べる物を少し多めに持ち、使った分だけ補充します。
- 5
公式情報の入口を保存する
気象庁、自治体、ハザードマップを家族のスマートフォンへ登録します。
備えナビ
不安を、家族を守る具体的な準備へ
全部を一度にそろえなくても大丈夫です。まず家にある水、食料、携帯トイレを数えるところから始めましょう。